8月の新刊。

  1. 『10センチの空』浅暮三文 (徳間書房 徳間文庫) 8/6
  2. とある飛空士への恋歌』4巻 犬村小六 (小学館 ガガガ文庫) 8/18
  3. 『人造救世主』小林泰三 (角川書店 角川ホラー文庫) 8/25
  4. 鋼の錬金術師』26巻 荒川弘 (スクウェア・エニックス) 8/12


1。「五感」シリーズは文庫化されないんだろーか。
2。むー。このシリーズもまだ全然読んでないんだけどなー。
3。面白いかなー?
4。連載はついに終了したなー。

『MM9』

MM9 (創元SF文庫 ) 山本弘 (東京創元社 創元SF文庫)
怪獣が災害と同じように現れる世界。彼らの出現予測、対処法等の怪獣対策のエキスパート、それが気象庁特異生物対策部、通称<気特対>の面々だ。攻撃部隊である自衛隊への情報提供のため、怪獣が現れれば最前線に赴く、そんな彼らの活躍を描く。


<気特対>という語感からしてもう「ウルトラマン」のパロディなのだが、そういった既存作品のパロディが随所に見られる。そういうところに著者の怪獣愛が感じられる。「ゴジラ」や「ウルトラマン」を文化に持つ日本人だからこそ書ける話だね。そうでなければSF風味のパニック小説になってしまうだろう。それはそれで面白いのだろうが、やっぱりこう、ウェットな感覚?てものが本作には感じられるんだよな。それが日本人的ってことかな。そしてそんな感覚は読み手である我々も持ってる訳。だから読んでいて楽しめるのだ。


もちろんただの怪獣小説ではなく、バカでかい怪獣が如何に体重を支えられるのか、あるいはどうして空を飛べるのか、火を吐けるのか等の理由付けがSF的理論で成されている。まあ、その分野に暗い身にしてみれば、何でもあり的理論に感じてしまうけれど。『宇宙消失』で感じた量子論と似た印象。


まあとにかく神話や伝承が実在の物として扱われているのも面白い。今現在続編がWebミステリーズ!で連載中だが、読める日が楽しみだ。