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今週末シンポジウムに参加する。場所は隠岐。…何故そんなところでするのか。まあ、丁度いいので奥さん達を実家に送りフェリーで行こうと思ってたら、1日では着けない。仕方が無いので奥さんの実家で一晩泊めてもらうことに。しばらく行ってないから挨拶するのにも丁度いいか。
てことで明日出発。でも明日は幼稚園で遠足があるとかで、昼過ぎに出るので実家には21時頃到着の予定。しんど。

『虎よ、虎よ!』

虎よ、虎よ! (ハヤカワ文庫 SF ヘ 1-2) アルフレッド・ベスター (早川書房 ハヤカワSF)
ある時、一人の学者によって偶然発見されたテレポーテーション能力。その能力が一般的に普及した25世紀、それは発見者の名前をとって"ジョウント"と呼ばれるようになっていた。画期的に思える"ジョウント"はしかし、世界に混乱、戦争を招く。そんな時代、敵の攻撃を受け遭難した宇宙船<ノーマッド>の唯一の生存者であるガリヴァー・フォイルは、救難信号を無視して飛び去った宇宙船に憎悪の念を抱く。その船の名は<ヴォーガ>。辛くも地球に戻ったフォイルは復讐を果たすべく行動を開始する…!


復讐のためなら手段を厭わないフォイル。女性関係に難あり。


脱出困難な刑務所内で知り合った女囚と共に脱獄に成功し、復讐の準備の為に<ノーマッド>に戻る彼ら。しかし追っ手が掛かり、あっさり彼女を置いて逃げてしまう。
さらに。別人に成り済ます為に教育係として雇った女性。彼女ともただならぬ関係ではあるが、別の女性に恋心を抱き、あっさり彼女に裏切られる。
その上。その恋をした女性がまた問題あり。
…フォイル、女性の扱いが酷いぜ。


復讐譚というから、てっきり家族とか恋人とかそういう人の仇討ちなのかと思ったら違ってた。でも自分を見捨てた事実に対する復讐というのも、なかなか。
ガジェット的には"ジョウント"は言うまでもなく、星間戦争や謎の物質パイアなど、今読んでも十分面白いもの。
そしてこれは人類変容の物語なのか?
"ジョウント"という能力を手に入れ、人類の生活様式は変わった。物語後半で示される新たな能力を人類が手に入れたとき、次なる進化のステージへの第1歩となるのではなかろうか。だとすれば同年のヒューゴー賞ノミネート作に『幼年期の終わり』の名前があるのも興味深い。