『阿修羅ガール』

阿修羅ガール (新潮文庫) 舞城王太郎 (新潮社 新潮文庫
恋する女子高生、アイコ。好きでもない男子生徒とやってしまった彼女はようやく自分の本心に気づく。だけどその男子生徒が行方不明、しかも殺されたらしくて…。そして街は中学生狩りが横行するアルマゲドン。騒動に巻き込まれたアイコはどこへ行く。そして物語の結末は?


相変わらずの暴力的描写を交えつつ、スピーディに物語は進む。そして第2部からはとんでもない展開になり、果たして物語はどこに帰結するのかと少々不安になる。それでもやっぱり舞城氏らしい作品だなあと思う。やっぱり愛ですよ、愛。
これは主人公が女子高生で一見恋愛ものだから、テーマである愛は分かり易いかもしれない。だがしかし。主人公の破天荒な行動にはちょっと引くかもしれないし、恋愛ものだと思って読み始めたら、第2部で絶対肩すかしを食らう。というか混乱するに違いない。ま、彼の作品は一筋縄ではいかないということかな。個人的には非常に興味深かった。特に第2部の「森」は怖い。不気味。…ね?何で一見恋愛ものっぽいのに怖くて不気味な章が出てくるんだって思うでしょ?