『サマー/タイム/トラベラー』1、2

サマー/タイム/トラベラー (1) (ハヤカワ文庫JA) サマー/タイム/トラベラー (2) (ハヤカワ文庫JA) 新城カズマ (早川書房 ハヤカワJA

高校生の夏、僕らはある「プロジェクト」を開始した。突然明らかになった悠有の時間跳躍能力(と思われるもの)の開発だ。例年ならただの暇つぶしにしか過ぎない「プロジェクト」だが、その夏は違っていた…。


文章が少々鼻につく。
主人公が過去、高校時代のある夏を思い出して書いているという形態をとっているのだが、やたらと前フリが多い。「あのとき〜していれば(していなければ)後の展開は変わっていただろう」とか。少々うざい。
また、主人公たち高校生が、やたらと賢しい。高校生のくせに「なんたら理論」やら「なんたらの式」なんかを持ち出して小難しい議論をする。…私が高校生の頃はもっと、のほほんとしていたよなあ、と思いながら、でもちょっぴり高校時代が懐かしく思えたり。というか、「夏」という響きがいいんだろうなあ。「夏」「夏休み」。なんかこう郷愁みたいなものを感じる。


時間跳躍能力に関しても何やら難しい理論で説明をつけているが、登場人物の一人の言うように、理論で説明付けるよりも感情で理解すればいいんだ。そう考えればもっと簡単なストーリーになる。そして主人公たちの内面もより理解し易いものになるんではないだろうか。