『巨人たちの星』

巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3)) ジェイムズ・P ・ホーガン (東京創元社 創元SF文庫)
月面で死後約5万年が経過したと思われる死体”チャーリー”が発見され、彼が住んでいた今は無き10番目の惑星ミネルヴァの存在が明かされた『星を継ぐもの』。同じ頃ガニメデで発掘された謎の地球宇宙船。その所有者である異星の巨人”ガニメアン”との遭遇から第1作の謎を裏付ける『ガニメデの優しい巨人』。そして今作が三部作の一応の最後にあたる。この後に『内なる宇宙』が刊行されているが、これは一連の謎解きとは関係なさそうだし。


前作ラストでガニメアンがミネルヴァから脱出し、新たに生活の拠点としていると思しき惑星<ジャイアンツスター>へと旅立った放浪するガニメアン達。その旨を通信にて送ったところ、間を置かずして返信が届く。後々<ジャイアンツスター>のガニメアン達との交信が開始されるのだが、彼らは地球に関して間違った解釈を持っていた。どうやら地球は以前から何者かに監視されているらしい…?


これまでと同じく物理学者のハントと生物学者のダンチェッカーが大活躍。そして前2作で明らかにされなかった謎も説明される。これで完全に環は閉じたわけだ。その環の中を永久に出られない種族もいれば、環から抜け出して星の世界を継承しようとする種族もいる。ともあれ心優しいガニメアンたちとの友好が以降も続いてくれると嬉しい。