『半落ち』

半落ち (講談社文庫) 横山秀夫 (講談社 講談社文庫)
ようやく読んだ。
警察官である梶聡一郎がアルツハイマー病の妻を殺し、自首してきた。動機、事件の経過等は素直に話すものの、事件後の「空白の2日間」についてだけは固く口を閉ざす。その2日間に彼はどこで何をしていたのか?そしてそこまでして黙秘する理由は?


章毎に梶を担当する取調官、検察官、弁護士等の視点で経過が描かれる。うーん、久しぶりにちょっと泣けた。そんなに聖人的な優しさを持てるんだろうか、人間は。痛みを経験する事で優しくなれるのか?いい話で、泣いておいて何だけれど、その点がちょっと。ただ、梶を見守る男達の想いというのもなかなかに感動的ではあった。