赤ん坊誕生当日の話。

22日深夜から早朝にかけて「お腹が痛い、これが陣痛か」と何度も奥さんから電話がかかってくる。こっちは話だけではわからないから、とりあえず大事ないようなら朝になってから病院に行ってみては?としか言えなかったのだけれど、結局23日早朝にお義母さんから電話があって、病院に行き昼までに産まれそう、とのこと。あわててボスに電話で2、3日休む事を伝えて駅へ。時間的に飛行機よりは新幹線のほうが早いと判断し、現地に着いたのは 14時半。結局2時間前にすでに産まれていて、まだ分娩室にいた奥さんのところへ直行。…女性は出産を経験すると少し変わるのかな。部屋に入ったとき、なんだか奥さんが別人に見えた。まあ、疲れていたというのもあったのかもしれないけど、なんか雰囲気がね。モニター(分娩室に備え付けで、リラックスできるようにイルカの映像とかが出るらしい)に映る赤ん坊を見る眼差しとか。正直どう接していいものか少し戸惑ったのを憶えている。


立ち会えなかったのだけどその後赤ん坊を抱かせてもらった。ちっちゃい。軽い。でも少し大きめの3,024g。なんか言葉では言い表せない。ちょっと目頭が熱くなったね。
その後は奥さんの個室で感想を聞いたりしていたんだけど、検診やらでなにかと看護婦さんが入ってくるので、その度に私は外に追いやられ、ぼんやりと窓越しに赤ん坊を眺める。…生え際が似ている…。大丈夫かなあ、女の子なのに髪の毛が薄かったりしたら可愛そうだなあ、なんて思ったりする。


翌日は住んでいた頃に使っていた銀行口座を解約したり、Labに顔を出したりする。昼前に行ったからか、あるいは卒修論も終わったからか、教授とFr氏のみ。昼食も教授と二人でぐれこに行く。いろいろと話したりまた愚痴られたり。というか、昨年末の学会で探偵氏に聞いたところでは改善されたような話だったんだけどなあ。なんともはや。そういえば、しきりにxii氏のことを褒めてました。愛弟子なんだろうなあ。
その後部屋に戻ってきてからもAm氏のデータでちょこっとdiscussionしたり。昔に比べるとfigureが様になっていたのが成長を偲ばせる。14時過ぎ、そろそろ病院へ行かないと怒られるなあ、と思い教授にお別れし、外で一服していると助手に出会う。少し話をしてから病院へ。
夜は私の好物ということでお祖母さんが鴨鍋にばら寿司を作ってくれる。もう普段食べられないようなご馳走。感謝です。


翌日は朝から面会に行き、病院に書類等を提出し、帰宅の途につく。先天性疾患の検査をしてくれる、とあったんだけど何を調べてくれるんだろうか?女の子だから色弱とか筋ジストロフィーとかは余程でない限り大丈夫そうだし…。ちょっと気になる。それからここの病院は産声をCDにプレスして配布してくれるらしく、それもついでに頼んでおいた。なんか面白そうだし。


しかし合計8時間列車に乗るのは疲れる。しかも往きは緊張していて全然寝られなかったし。帰りは帰りで発表のことを考えるとドキドキだったし…。まあ、とにかく五体満足で産まれてきてくれたことだけで一安心だ。正直まだ父親になったという実感はないんだけどねー。ま、大変だろうけど一緒に住めるようになる一ヶ月後が楽しみだ。