2006-03-11 『虹の家のアリス』 読書感想記 本 加納朋子 (文芸春秋社 文春文庫) 定年退職後に昔からの夢だった探偵事務所を開いた仁木。そしてそこにふらりと現れた少女、安梨沙。二人が活躍する『螺旋階段のアリス』に続く第2作。 今回はいつもながらの「日常的な、でも少し不思議な事件」に加えて、仁木や安梨沙の家族に関する事柄も焦点に当てられる。短編集なのだけど、こうやって徐々に登場人物の背景が明らかになっていく様は面白い。そしてそういう手腕も流石だなあ、と思う。