『アヒルと鴨のコインロッカー』

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫) 伊坂幸太郎東京創元社 創元推理文庫
大学入学のために仙台に越してきた主人公、椎名。一人暮らしを始めるにあたって隣人に挨拶をしに行くのだが、そこで出会ったのは全身黒尽くめで端正な顔立ちの男、河崎。椎名は初対面の彼から書店を襲い、広辞苑を奪うという計画を持ちかけられる。何故広辞苑なのか?そこにどんな意味があるのか?


毎度のごとく、物語は二つの視点から描かれる。まずは椎名の視点で進む現在のパート。もうひとつは河崎の知り合いの女の子の視点で進む二年前のパート。初めは見えない話の筋もこの二つのパートが進む事で徐々に明かされる事になる。
というか、もう中盤辺りからなんかいやーな結末になるんじゃないかという予感がする。
そんな不安を抱えながら読んだためか、これまでの氏の作品で感じた爽やかな読後感みたいなものが感じられなかったなあ。いや、登場人物も魅力的で面白いし、アッと驚く仕掛けもあるんだけどね。