『空の中』

空の中 (角川文庫) 有川浩 (角川書店 角川文庫)
四国沖、高度2万mの自衛隊演習空域。そこで続けて起こる民間開発機と自衛隊機の事故。空域調査のために現場に赴いた航空機メーカーの調査員と自衛隊パイロットはあるものに遭遇する…。
そして高知。自衛隊機が事故を起こしたその日、高校生の瞬は海岸でクラゲのような謎の物体を拾う。それは生物のように動き、携帯を介して意思の疎通を図ってきた…!


ああ、面白かった。
そして感動した。


キャラクターが皆きちんと書けてる。主役級の4人から準主役の宮じぃや真帆に至るまで。特に素晴らしいのは瞬の離れて暮らす父親代わりに何かと面倒を見てくれる宮じぃか。巻末に彼の短編が収録されているくらいだからな。作者も思い入れがあったようだし。
そして何に感動したって、瞬や佳江の純粋さかな。間違いを犯したから、そんな自分は純粋な彼女には近づけない/彼の内面に触れるのが怖かったから、間違いを指摘することができなかった。…恋だねえ。青春だねえ。そんな彼らを優しく時には厳しく、道を正してやるのが宮じぃ。
SFとしても子供達の成長の物語としても、十分楽しめました。


しかしアレならスカイドンではなくて真っ先に思い浮かぶのはバルンガだろうに。