『機動戦士ガンダムUC』7巻

機動戦士ガンダムUC (7) 黒いユニコーン (角川コミックスエース) 福井晴敏 (角川書店 角川コミックス・エース) 
マリーダの駆るユニコーン2号機<バンシィ>に敗北を喫し<ラー・カイラム>に収容されたバナージ。奇しくも政治的駆引きによってオードリーも<ラー・カイラム>へと移送される。<ラー・カイラム>は一路トリントン基地へと向かうが、そこでは<ガランシェール>隊を中心としたジオン残党が待ち構えていた…!


アナハイム・エレクトロニクス幹部でありビスト財団代表代行であるマーサ・ビスト・カーバイン。<インダストリアル7>での強襲作戦を裏で指示し、地球連邦高官とも取引を繰り返し「ラプラスの箱」奪取を目論む彼女を中心とした、政治的活動にも焦点があてられる。奇しくもブライトさんが言うように今回の話は「ラプラスの箱」を巡る内輪もめのようなものであり、これまでの(善し悪しはあれども)主義主張のための戦争ではない。それが『ガンダムUC』の目新しい点でもあり、少々違和感を感じる点でもある。毎回ラプラスプログラムによって示される座標に向かうあたりがRPG的なんだよな。


そしてジオン残党によるトリントン基地強襲。ザクIスナイパーとか商業的な意図を感じてしまうのは勘ぐり過ぎ?大活躍してたけどさ。ドワッジとかガルスKとかはまだしもザクIスナイパーとかザクキャノンなんて1年戦争初期のMSじゃん。そんなのが未だに残って動いてるのが不思議なんだけど。普通の家電製品だって17年も保たないぞ。


次巻より舞台は再び宇宙へ。ここまで引っ張られると「ラプラスの箱」の正体に過剰な期待を抱いてしまうなあ。