『戦う司書と神の石剣』

戦う司書と神の石剣 (スーパーダッシュ文庫) 山形石雄 (集英社 スーパーダッシュ文庫
「本」となった死者を想い人のもとへ届けるというラスコールオセロ。神溺教団との関係も指摘される彼の捜索に、武装司書ミレポックは乗り出す。しかしラスコールは存在そのものが疑問視される人物。そして彼を追う人間には死が待っているという噂も存在した…。


テレパシーの様な能力を持ち、1巻から重要な後方支援役として登場しているミレポックが主人公。直接的な戦闘能力を持たない彼女は自分に不甲斐なさを感じ、そのためラスコールの捜索という、ハミュッツの禁止した行為に出る。
そしてもう一人ラスコールを追う人物。神溺教団の戦士アルメ。1巻で死亡した神溺教団の幹部シガルに心酔していた彼女は敵討ちのためにラスコールを探す。


ミレポックが主人公とは言え、その心情や生い立ちなどが多く語られるのはアルメの方。行為が悪であってもそれは邪悪な心から成っているのではなく、誰かを想う純粋な心から成っているのかもしれない。末端の戦士はそういう思いで戦っている。そういった事が言いたいのかな。だから毎回敵対する側を多く語るんだろうか。闇があった方が光の輝きは増すからな。
とにかく。これまでちょこちょこと出てきてたラスコールにもスポットが当てられたのは嬉しい事。段々と背景が明らかになってきた感じ。