『機動戦士ガンダムUC』10巻

機動戦士ガンダムUC (10)  虹の彼方に (下) (角川コミックス・エース 189-12) 福井晴敏 (角川書店 角川コミックス・エース)
インダストリアル7>に到着し、ついに「ラプラスの箱」の全貌を知ったバナージとミネバ。その内容を全世界に公開しようとするも、またしても彼らの前にフロンタルが立ちふさがる。しかも「ラプラスの箱」を消滅させるべく、コロニーレーザーが<インダストリアル7>宙域を狙う。…「ラプラスの箱」を巡る最終決戦が今、始まる。


読者がずーっと気になっていた「ラプラスの箱」の中身がようやく開示されたわけで。個人的には納得できる範囲内。とんでもないものだったらどうしようかと思ってたんだけど。「それ」が連邦を覆し、世界の有り様を変えると言われる所以もわかる。ただし、受け取る側の問題だろうな。実際UC0100以降でも全く世界は変わってないわけだから。ま、これ以降の物語である「閃光のハサウェイ」や「F91」なんかの内容との折衷案といったところでは文句なし。


あー、しかし結局フロンタルは何者だったんだ?いや、正体は提示されてるんだけど、いまいちインパクトに欠けると言うか。まあでも「シャアの再来」なんて言われる程の人物がポッと出てきた理由は理解できたか。


そういった諸々のことを考えると既存作品との辻褄合わせ(あいまいな設定の理由付け)もよく考えられており、尚かつ新しい部分もありでシリーズとして良かったんじゃないかな。ニュータイプの一つの新しい在り方の可能性が示されたラストに感動した。