『時の娘 ロマンティック時間SF傑作選』

ロバート・F・ヤング、ジャック・フィニィ他　（東京創元社　創元SF文庫）
時間モノのアンソロジー。サブタイトルにある通り、男女の恋愛にまつわるものが多い。

ヤングの「たんぽぽ娘」を期待していたのだが、収録されずということで少々がっかりしながらも購入。しかし面白かった。フィニィ以外は初読の作家さんばかり。
時間移動の手段や動機など、それぞれ異なっていてバラエティ豊か。特に気に入ったのは「時が新しかったころ」「時の娘」「出会いのとき巡りて」「時のいたみ」。前２作はオチが読めてしまうものの、王道で面白く安心して読める。「出会いのとき巡りて」は他のものに比べてSF味が強い。映像化しても面白そうだ。

しかし「時が新しかったころ」が面白かったので、ますます「たんぽぽ娘」が読みたくなったなあ。早く奇想コレクションで出してくれないかしら、河出書房新社さん。