『フィッシュストーリー』

フィッシュストーリー (新潮文庫) 伊坂幸太郎 (新潮社 新潮文庫
氏初の短編集。中でも「サクリファイス」はこれまでの作風とは異なっている。
東北のある集落に伝わる「おこもり様」という風習。成り行き上関わることになってしまった黒澤。…なんて、横溝正史なんかの民間伝承を題材にしたミステリ的。でもそこまでおどろおどろしくないんだけど。そこはやっぱり伊坂幸太郎、か。
他の3作は如何にも氏らしい作品。変に力が入っていなく、それでいて心に響いてくる。やっぱりいいわ。


ちなみに今回も他の伊坂作品とのリンクがあります。てか、『ラッシュライフ』の黒澤は「サクリファイス」では主役をはってるし、「ポテチ」でも主要なキャラとして登場。「動物園のエンジン」には『オーデュボンの祈り』の主人公が少しだけ言及される。他にも調べればいろいろと出演していそうな雰囲気。ほとんどスピンオフ的なノリ。


しかし黒澤、随分人気があるなあ。確かに味のある人だが。