『ゼロ年代SF傑作選』

ゼロ年代SF傑作選 (ハヤカワ文庫 JA エ 2-1) (ハヤカワ文庫JA) 大森望 編 (早川書房 ハヤカワJA)
近年の活躍著しい日本SF作家のアンソロジー。『マルドゥック・スクランブル』の外伝目当てで購入。


いつも思うのだが「ゼロ年代」とはなんぞや?
わざわざ区別しなくてはいけない程特別な年代なのか?
いやでもこれが「90年代」とか表記されていれば「ああ、この10年のことね」と納得するのかもしれない。単にカタカナで「ゼロ」と書かれているから変な気になるのか。それにしてもこういう表記をやたらと目にするからなー。「ゼロ年代」という言葉を使いたいだけなのかもしれないな…。


まあとにかく。


結果として『マルドゥック・スクランブル"104"』は面白かったし(『マルドゥック・ヴェロシティ』読まなくちゃ)、それ以外では『地には豊穣』『おれはミサイル』が良かった。そしてなかなか全貌を理解するのは難しかったが『アリスの心臓』も印象に残る。


しかし思ったのは、一部のギャルゲーって、一見何の変哲も無い日常なんだけどその実世界を変容させる何か(それも無意識のうちに発生するとか)が暗躍してるとか、そういう設定の話が好きだよな。『空の境界』もそんな感じだった。
セカイ系ってやつか?


というか、この頃の作品って何でも「オタク文化」が根幹にあるのかもしれないな。解説を読んでなるほどと思った。そしてそれが「ゼロ年代SF」の特徴なんだろう。