『闇の守り人』

闇の守り人 (新潮文庫) 上橋菜穂子 (新潮社 新潮文庫
チャグムとの関わりから、養父の自分に対する想いを再認識し、自分の過去に向き合う決意をしたバルサ。実父、養父、そして自分が巻き込まれた故郷での陰謀を清算するために生まれ故郷であるカンバル王国へと足を踏み入れる。


<守り人>シリーズ2作目。
今作で語られるのは前作舞台の新ヨゴ皇国の北にあるカンバル王国。その舞台設定も前作同様、素晴らしい。頭の中に浮かんだ絵が先行して物語が出来上がったという著者の言葉通り、こちらの頭にもすんなりと絵が浮かぶ。そして<ヒョウル>(闇の守り人)の設定も魅力的だ。


一方で語られる王国の過去と現在進行中の陰謀。その陰謀を止めるべく、少年カッサとバルサは王都へ。その最中で知る養父ジグロの抱いていた想い。その過去に折り合いをつけたバルサは、タンダの元に戻るのだろうか。