『薄紅天女』

薄紅天女 荻原規子徳間書店
闇の末裔」と「輝の末裔」が織りなす勾玉をめぐる物語。3部作の第3巻。


「輝の末裔」である皇家。しかし今、皇の治める都は物の怪の巣食う地と化してしまった。この事態を収拾するために伝説の勾玉を持つ巫女の捜索が秘密裏に行われる。その任に着いたのは坂上田村麻呂。彼は勾玉を持つ者を発見するがそれは少年だった…。


『空色勾玉』の存在を知ってからもう15年余。さらに読んでからはもう10年近く経つ。その間に新書版も出版され本来のターゲットである子供以外にも読者は増えている、かもしれない。最近児童文学のファンタジーがブームだが、これもそのうちアニメ化なんてされるのかもな。日本の古典を下敷きにしているため馴染みがあるし、読後感の爽やかさといったらもう。
それに児童向けと侮るなかれ。人物設定もしっかりしているし、ストーリーも良い。特に『空色勾玉』では主人公にある予言がなされるわけだが、その成就のさせ方にあの当時は「そう来たか!」と思ったね。

ま、少しでも興味のある人にはお勧めです。