『永久帰還装置』

永久帰還装置 (ハヤカワ文庫JA) 神林長平 (早川書房 ハヤカワSF)
火星宙域に突如として現れた正体不明の小型宇宙艇。その中には一人の男が眠っていた。所持品は大型の拳銃、千年近く前に地球に存在した日本の警察手帳。そしてそれに挟まれたクリームパンの包装ビニール。
彼、小鴨蓮角は語る。自分は時空を超えて逃亡を続ける犯罪者を追う永久追跡刑事である、と。彼が追う世界を改変する能力のある犯罪者"ボルター"の名は、現火星政府の大統領と同じ名だった…。


少し「未来警察ウラシマン」を思い出した。
世界の改変、ということで、前半は事実の認識、解釈について物語に絡めて語られる。こういうところは氏らしい。さらにはAIであるマグザットが介入することにより情報の正確さも問われることになってゆく。
戦闘妖精・雪風』なんかのシリーズに比べると、そんなにハードではない感じかな。面白かったけどね。
ただ、別次元からやってきた刑事で、己を知るのは目標である犯罪者のみ、というのがなんとなく「ウラシマン」を思い出させた訳。