『敵は海賊・短編版』

敵は海賊・短篇版 (ハヤカワ文庫JA) 神林長平 (早川書房 ハヤカワSF)
4つの短編を収録した短編集。ラテル&アプロの海賊課コンビを主役とした話2編に匋冥ら海賊サイドを主役とした話2編を含む。シリーズの元になった短編「敵は海賊」が再録されているのは嬉しい配慮。


中でも海賊匋冥を主役とした「匋冥の神」は興味深い。シリーズ当初から伝説の海賊王として人間を超越したような力、雰囲気を持つ彼だが、如何にして海賊王と呼ばれ畏れられるような存在になったのかを知る事のできる話。感情的な匋冥が面白い。というか少し違和感。


一方、「被書空間」は氏の別シリーズである『戦闘妖精・雪風』とのコラボ。展開はなんか良くわからないが、外部からの視点で語る事で『戦闘妖精・雪風』の世界観が少し理解できるかも。なかなかに面白い試み。


次は長編が出ると嬉しいな。
そして『ブロークンアロー』の文庫化も待ち遠しい。