『戦う司書と荒縄の姫君』

戦う司書と荒縄の姫君 (スーパーダッシュ文庫) 山形石雄 (小学館 スーパーダッシュ文庫
突如として大国イスモの軍事侵攻を受けるバントーラ図書館。防衛にまわり苦戦を強いられる武装司書だが、敵はイスモだけにとどまらなかった。そして皮肉なことにこの戦争の始まりには一人の武装司書が関わっていた…。


もう、序章でいきなりショックですよ。
今作の主役は武装司書見習いノロティ=マルチェ。武装司書への昇格目前と言われるまでに成長した彼女だが、そのスタンスは幼い頃より変わっていない。敵と言えども誰も殺すことも死ぬこともなく、全ての人の幸せを望む。他人の意見に耳を貸さずに頑にそのスタンスを守る彼女は皆に呆れられ、作者にまで馬鹿呼ばわりされてしまうわけだが、果たしてそれが馬鹿なのか。初志を貫徹する程の意思があれば馬鹿も通り越してしまうと思う。実際作者の言葉に罵倒の意味はない。


神溺教団との戦いに一応の幕は降りた。だがそれは新たなステージの始まりに過ぎない。