『調停者の鈎爪』

調停者の鉤爪(新装版 新しい太陽の書2) (ハヤカワ文庫SF) ジーン・ウルフ (早川書房 ハヤカワSF)
セクラを愛し、それ故に拷問ではなく安らかな死を与えてしまったセヴェリアン。<塔>を追放された彼は、北方の街スラックスで刑吏として働く為に旅に出る。その過程で知り合う人々。彼の運命を変えたもう一人の人物、反乱者ヴォダルスとの再会…。


シリーズ第2巻。
冒頭、いきなり前巻とのつながりが無くて、焦る。何故省略したのか?ちょっと混乱しつつもまあ読み進める。
それにしてもセヴェリアン、モテモテ。人間の女性のみならず、水の精とか人外のものにまで。


この巻からSF的要素が段々と顔を現してくる。しかし未来から来た緑人といい、<壁>の謎の人型生物といい、転移装置といい、突然出てきては、大した言及も無くあっさりと舞台から姿を消してしまう。なんか勿体ないような気がするのだけど、後々全てがわかるようになってるのかなあ。あるいはそんなに仰々しいことじゃなくて、いろんな人種、生物や装置が、このウールスという世界には存在するんだよ、ということを言いたいのだろうか。


とにかく、そういう用語や人物がフラッと何気なく出てくるので、これは再読必至かもしれん。