『とある飛空士への追憶』

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫) 犬村小六 (小学館 ガガガ文庫
大洋とそこを横断する大瀑布に分たれた大陸。そこに位置する二大国は戦争状態にあった。戦況の悪化に伴い占領地にいる皇子の許嫁を本国へと連れ帰る命令が下される。それはたった1機の飛空機で敵制空権内を突破するという無謀なものだった…。


ナウシカ」とか「ラピュタ」の”ボワッ”とした質量を持った雲のイメージ。そして「紅の豚」ばりの空戦。さらには文中の描写からイメージされる空中戦艦の形状。なるほど確かにジブリ作品の影響は大きいようだ。
飛行機の挙動とかには疎いので文章からイメージする動きを果たして本当にできるのか?なんて思いながら読んだ。車のドリフトならともかく、飛行機で横滑りとかできるの?それとも思い浮かべてる画が違う?


途中のラノベ的展開はこの歳には少々キツイが、空戦シーンは面白く、読後も切なさと清々しさが入り交じった良い作品だった。


タイトルに「追憶」とあるのはそういうことだったのかと、終章を読んで納得。