『ミミズクと夜の王』

ミミズクと夜の王 (電撃文庫) 紅玉いづき (メディアワークス 電撃文庫
村で奴隷として虐げられていた少女は死を望み、魔物の棲む森へ足を踏み入れる。そこで出会った、月の光を放つ眼と美貌を持つ夜の王。少女は彼に食べられること
を望むが、王はそれを拒む。それでも少女は王について回り、徐々に二人の距離は縮まってゆくのだが…。


虐げられた者同士が惹かれ合うのは必定、なのか。
そしてその思いは一度知ってしまった幸福を投げうってまでも、得たいもの。


始めは少女ミミズクの口調に少し不安を感じつつも、読み進めるうちに彼女たちの織りなす世界に魅了される。森の外、人間の世界の描写がされ始めると、普通のファンタジー?てな感じになるものの、各キャラクターがきちんと立ってることに驚く。単巻なのにまるでこれまでに何冊もこの物語を読んできて、各キャラクターの人となりを見てきているかの様。素晴らしい。これは確かに続きが読みたくなるし、だから続編が楽しみ。


純粋なハッピーエンドってものすごく久しぶりに見たような気がして、嬉しくなった。