『告白』

湊かなえ (双葉社 双葉文庫) ある中学の一学期終業直前。1年生の担任の子供がプールで死体となって発見される。警察では足を滑らせてプールに落下した故の事故死であると断定されたが、母親である担任は終業式の日、クラスの生徒たちの前である「告白」を…

3月の新刊

『ヴォイス 西のはて年代記』2 アーシュラ・K・ル=グウィン (河出書房新社 河出文庫)3/4 『アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風』 神林長平 (早川書房 ハヤカワJA)3月上旬 『もやしもん』10 石川雅之 (講談社 イブニングKC)3/25 1。『ギフト』が見…

『すたーらいと☆ぱ〜ふぇくと!』

火浦功 (朝日新聞社 ソノラマノベルス) 既刊の『すたーらいと☆だんでぃ』『すたーらいと☆こねくしょん』『すたーらいと☆ぱにっく』と新作読み切り2編を含む合本。新作と言っても書籍化されていないってだけで、書かれたのは随分前なんだけどな…。 連邦移…

『ゼロ年代SF傑作選』

大森望 編 (早川書房 ハヤカワJA) 近年の活躍著しい日本SF作家のアンソロジー。『マルドゥック・スクランブル』の外伝目当てで購入。 いつも思うのだが「ゼロ年代」とはなんぞや? わざわざ区別しなくてはいけない程特別な年代なのか? いやでもこれが「90…

『ここがウィネトカなら、きみはジュディ 時間SF傑作選』

大森望 編 (早川書房 ハヤカワSF) 時間SFのアンソロジー。 いやあ、どれも味があって大変素晴らしい。やっぱり時間ものは楽しいなあ。 チャンの新作が読めたのも嬉しい。『千夜一夜物語』風のなんとも味わいのある作品。他にはプリーストの『限りなき夏』…

『クジラの彼』

有川浩 (角川書店 角川文庫) 『空の中』『海の底』の後日談を含む、自衛隊絡みの短編集。そして全てが恋愛もの。甘さ控えてません。 三部作を読んできた身としては、やっぱりスピンオフ作品は気になるもの。でもまだいいか、なんて思っていたのだが書店で…

『海の底』

有川浩 (角川書店 角川文庫) 米軍横須賀基地で開かれる桜祭。その最中に突如として巨大な甲殻類が群れを成して上陸し、人々を襲い始める!停泊中の海上自衛隊所属の潜水艦に辛くも逃げ込んだ子供たち13人と乗員2名。巨大甲殻類の対処に追われる警察組織と…

2月の新刊

『ギフト 西のはての年代記』1 アーシュラ・K・ル=グウィン (河出書房新社 河出文庫)2/4 『武士道セブンティーン』 誉田哲也 (文芸春秋社 文春文庫)2/10 『機神幻想ルーンマスカー』フルカラー 1 出渕裕 (徳間書店 リュウコミックス)2/3 『ファイ…

『陽気なギャングの日常と襲撃』

伊坂幸太郎 (祥伝社 祥伝社文庫) 前作から1年後。4人それぞれにスポットを当てた短編と、そこに端を発する事件。銀行強盗の最中に出くわした誘拐事件。被害者を救うべく4人は動き出す。 もともとは短編が存在し、それに加筆訂正を行った結果、このよう…

『陽気なギャングが地球を回す』

伊坂幸太郎 (祥伝社 祥伝社文庫) それぞれに特殊な能力を持つ4人組の銀行強盗集団。無事(?)仕事を終えた彼らだったが、逃走中に偶然別の強盗団と出くわし、まんまと車ごと現金を奪われてしまう。現金を取り戻すべく、追跡が始まる。 4人の特殊能力と…

1月の新刊。

『新世界より』上中下 貴志祐介 (講談社 講談社文庫)1/14 『評伝シャア・アズナブル《赤い彗星》の軌跡』上下 皆川ゆか (講談社 講談社文庫)1/14 『とある飛空士への恋歌』5 犬村小六 (小学館 ガガガ文庫)1/18 『ディスコ探偵水曜日』上中下 舞城王太…

『とある飛空士への追憶』

犬村小六 (小学館 ガガガ文庫) 大洋とそこを横断する大瀑布に分たれた大陸。そこに位置する二大国は戦争状態にあった。戦況の悪化に伴い占領地にいる皇子の許嫁を本国へと連れ帰る命令が下される。それはたった1機の飛空機で敵制空権内を突破するという無…

『新しい太陽のウールス』

ジーン・ウルフ (早川書房 ハヤカワSF) 共和国の独裁者となったセヴェリアン。太陽の衰えたウールスに<新しい太陽>をもたらすべく宇宙船で旅立つ彼を待ち受けるものとは…? 前巻で「セヴェリアンが独裁者となりウールスに<新しい太陽>をもたらすでしょ…

『秋の牢獄』

恒川光太郎 (角川書店 角川ホラー文庫) 3つの中編を収録。表題作が時間ループものだったので興味を持ち、読んでみる。氏の作品は初めて。ホラーのジャンルはどれもこれも似たり寄ったりのような気がして、なかなか手を出し難くってねえ。 収録作全てが本…

『独裁者の城塞』

ジーン・ウルフ (早川書房 ハヤカワSF) 北方山岳地帯をさまよい、ついに隣国のアスキア人との戦闘地域に入ったセヴェリアン。熱病にうなされながら辿り着いた野戦病院でペルリーヌ女僧団に出会う彼だが、成り行きから戦闘に参加することに…。 シリーズ第4…

『警士の剣』

ジーン・ウルフ (早川書房 ハヤカワSF) 旅の果てに目的の地スラックスに着いたセヴェリアン。しかし執政官の願いを聞き入れずにとある女性を助けたことから、またしても街を負われる羽目に。スラックスまでの旅の途中で偶然手に入れた神秘の宝石<調停者の…

12月の新刊。

『ハーモニー』 伊藤計劃 (早川書房 ハヤカワJA) 12月上旬 『リセット』 垣谷美雨 (双葉社 双葉文庫) 12/16 『雪屋のロッスさん』 いしいしんじ (新潮社 新潮文庫) 12/24 『ブレイクブレイド』9巻 吉永裕ノ介 (ソフトバンククリエイティブ フレック…

『調停者の鈎爪』

ジーン・ウルフ (早川書房 ハヤカワSF) セクラを愛し、それ故に拷問ではなく安らかな死を与えてしまったセヴェリアン。<塔>を追放された彼は、北方の街スラックスで刑吏として働く為に旅に出る。その過程で知り合う人々。彼の運命を変えたもう一人の人物…

『拷問者の影』

ジーン・ウルフ (早川書房 ハヤカワSF) 中世的世界で拷問者組合の徒弟として暮らすセヴェリアン。彼らの住まう<塔>に送られてきた人物に対して速やかに、組合に伝わる秘術をもってして拷問するのが彼らの役目。ある日、彼は<塔>に連れて来られた一人の…

11月の新刊

『みずうみ』 いしいしんじ (河出書房新社 河出文庫) 11/4 『オリュンポス』3 ダン・シモンズ (早川書房 ハヤカワSF) 11月上旬 『ICO −霧の城−』 宮部みゆき (講談社 講談社文庫) 11/12 『ゴールデンスランバー』 伊坂幸太郎 (新潮社 新潮文庫) 11/…

『冷たい校舎の時は止まる』

辻村深月 (講談社 講談社文庫) 雪の降りしきるある朝。通常通りに登校した高校3年生の男女8人はしかし、鍵も開けられ電気もヒーターまでも点いた校内に自分たち以外に誰もいないことを知る。しかも1階の出入口、窓は鍵もかかっていないのに全く開かない…

『虎よ、虎よ!』

アルフレッド・ベスター (早川書房 ハヤカワSF) ある時、一人の学者によって偶然発見されたテレポーテーション能力。その能力が一般的に普及した25世紀、それは発見者の名前をとって"ジョウント"と呼ばれるようになっていた。画期的に思える"ジョウント"は…

『ティターンズの旗のもとに』

今野敏 (メディアワークス メディアワークス文庫) UC80年代。「デラーズ紛争」を契機に地球連邦軍は、ジオン残党狩りを目的としたエリート集団"ティターンズ"を結成する。その"ティターンズ"内の新型MS開発に関わる実験部隊に配属されたエリアルド・ハンタ…

『エロス』

広瀬正 (集英社 集英社文庫) 歌手橘百合子として芸能界で成功した赤井みつ子。芸能生活37周年のリサイタルに向けたある日、ふとしたきっかけで「もしあの時歌手になっていなかったら…」という自分の人生を想像し始める。 全然エロくないです。念のため。 …

『ゾティーク幻妖怪異譚』

C・A・スミス (東京創元社 創元推理文庫) 太陽の衰えた未来の地球。そこに存在する大陸ゾティークを舞台にした、魔術師や妖術師、王侯貴族や魔物が入り乱れる短編集。 『イルーニュの巨人』の時にも感じた言葉の巧みさ、退廃した妖しい世界を綴る修飾語の…

10月の新刊

『テンペスト』3 池上永一 (角川書店 角川文庫) 10/25 『オリュンポス』2 ダン・シモンズ (早川書房 ハヤカワSF) 10月下旬 『時間の歩き方』2 榎本ナリコ (朝日新聞出版 ソノラマコミックス) 10/7 1。何分冊になるんだろうか。 2。こちらは3分冊…

サイン本

積読本が多いので、ある程度消化するまで新しく本は買わない予定だったのだが、書店で『クジラの彼』のサイン本を見かけたので買ってしまった。どうせ購入予定だったしー。 カバー裏の見開きに有川氏のサインが。ハンコも押してありました。なんか嬉しい。

『マルドゥック・スクランブル』

冲方丁 (早川書房 ハヤカワJA) 娼婦としてしか生きることのできなかった少女、バロット。そんな彼女を買い受け、生活の面倒までも見ていた(といっても下心ありありなんだけど)賭博師シェルはしかし彼女の殺害を試みる。瀕死の重傷を負いながらも、委任事…

『戦う司書と世界の力』

山形石雄 (集英社 スーパーダッシュ文庫) バントーラ図書館地下迷宮からルルタの力によって放たれた"終章の獣"。その力で世界中の人々は倒れ、ハミュッツすらも死んだ。しかし彼女の隠されていた能力が今発動し、ルルタとの世界の命運をかけた最後の戦いが…

『ガーディアン』

石持浅海 (光文社 光文社文庫) 小学生の頃に父親を亡くした勅使河原冴。それ以来彼女に危険が及びそうになると、周囲にバリアが有るかの如くその危険から彼女を守ってくれる「力」を感じるようになる。「ガーディアン」と彼女が名付けたその力は、彼女に危…